8月20日(月)、西日本短期大学二丈キャンパスにて、福岡県高等学校農業教育研究会 環境緑地教科部会が行われました。
当日は行橋高校、久留米筑水高校、福岡農業高校、糸島農業高校、魁誠高校の5校の先生方が、樹木医学に関する内容の研修に参加されました。
報告が遅くなり申し訳ありませんが、研修の内容をご紹介します。
まず、午前中は、緑地環境学科 矢幡学科長より、「太宰府天満宮クスノキの養生工事について」の講義が行われました。
太宰府天満宮の境内にあるクスノキは、国指定天然記念物2本をはじめ、福岡県指定天然記念物も49本に及びます。今では緑の葉を青々と茂らせている立派なクスノキですが、衰退が進み、枯れはじめる事態が起きました。
普段はどうしても葉や花に目が行きがちですが、それを支える根を痛めた状態では、健全な生育は望めません。巨木のクスノキはその歴史や大きさもあって、慎重かつ大胆な調査および樹勢回復工事が行われました。
講義では、クスノキの衰退原因の解明、樹勢回復・養生工事、保全対策をどのように行ったか、実際に工事の指導をされた当時の様子を交えての解説がありました。
午後は、「根系調査におけるエアスコップの展示、実演」の研修を行いました。
この研修は、株式会社 森園芸場さまにご協力いただきました。当日は早崎さま(本学OB)に実演指導をしていただきました。ありがとうございました。
さて、エアスコップとは、文字の通り、空気圧で土を掘っていくものです。
固まった土壌を空気で吹き飛ばし、樹木の根を傷つけずに土壌をほぐしていくことができます。
今回の研修では、ニセアカシアの根を実際に掘りました。
各高校の先生方、そして緑地環境学科の先生方もエアスコップに挑戦。その威力を実感しました。
研修の後は、二丈キャンパスでちょうど行われていた造園技能検定1・2級の直前講習の様子を、みなさん熱心に見学されていました。
西日本短期大学緑地環境学科において研修会を開催していただき、ありがとうございました。暑い中での研修となりましたが、とても有意義な時間となりました。
研修に参加されたみなさま、また準備・運営をされた緑地環境学科スタッフのみなさま、おつかれさまでした。