樹木医入門講座「緑のしごと発見」

緑のしごと発見」も午前の項目が終わり、お昼を頂いてから、ちょうど午後1時から20分間の時間を頂き、樹木医入門講座を行いました。

樹木医入門講座
樹木医入門講座

樹木医制度とは

樹木医制度は平成3年に創設されました。昨年度末までに全国で2134名が登録され、福岡県内75名を数えています。

樹木医になるには、樹木医研修の受講資格が必要で、樹木診断などの業務経験が7年以上必要ですが、樹木医補の資格があれば、1年で済みます。本学で所定の単位をとれば申請だけで樹木医補の資格がとれます。
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Google SketchUp の実力はすごいですね

9月に入っても35℃の酷暑が続きそうですが、皆様如何でしょうか。我がゼミでは、9月6日に大分県中津市裏耶馬溪の自然林復元の試験地調査を実施します。当初、学生6名で3日間の予定でしたが、異常な高温で熱中症になるのを心配し、1日だけの日帰りの予備調査に切り替えました。

ところで、ゼミの一つのテーマとして、福岡市植物園の屋上緑化を取り組む予定で、現在、発砲スチロールの模型を作成して検討開始しましたが、夏休みで一時停止中です。その間に、SketchUpというGoogleが提供する3次元のCADが無料で使えるとの情報を得たので、さっそくダウンロードしてパソコンにインストールしました。

使い方は、英語ですが、ビデオの解説を見ることができます。すでに、CAD を使っている人にも人気があるので、ここで説明するのは今更のことですが、デザインやCADに素人の私が使ってみても洗練された使い易さで大いに気にいりました。使い慣れるのに3日間を要したのですが、すっかりはまり、実用に供し始めたところです。未完成ですが、植物園の屋上緑化を計画する既存の敷地に、仮の樹木や草花を植え込んでみましたので、参考のために展示します。

屋上緑化のCADの一例

 予定では、屋上緑化に、「茶花の庭」を連想できる日本の野草園的な庭にしようとしています。これに浄水ケーキを利用した実験も組み込む予定ですが、学生さん達のセンスを期待し、このCADを使いこなせるように、指導するつもりでいます。

なお、西短では、CAD専門の先生から、ベクターワークスというCADソフトを使った授業を受けて勉強しますが、同時に、このSketchUpの練習も正規の授業で習得できるそうです。無料のソフトですが、使い甲斐のあるソフトの実力に感激しています。

2010年8月8日オープンキャンパスの様子1

8月8日(日)午前10時30分から、第二回の西日本短期大学のオープンキャンパスが開催されました。緑地環境学科では教員紹介の後、西田学科長から緑地環境学科の特徴などが紹介されました。初めて参加された高校生の皆さんは、二丈キャンパスへスクールバスで移動しましたが、二度目の参加者は、福浜キャンパスに留まり、午後まで演習や講義の模擬体験をしてもらいました。

オープンキャンパス「ミクロの世界」
ミクロの世界の模擬講義



午前中は30-40分間、「ミクロの世界」と「樹木医への道」について顕微鏡やパワーポイントを使って説明しました。

8月4日に九州大学演習林(生の松原)で枯死したばかりのクロマツの枝と、枯れた幹から脱出したばかりのマツノマダラカミキリの成虫を大学に持ち帰り、虫かごに入れて松枝を囓る様子を見ながら、模擬講義に使いました。クロマツ林が夏に多量に枯死する被害の原因は、カミキリが持ち込んだマツの材線虫が体内で増殖し、病害を発生させるためです。枯死した枝を切り刻んで水に漬けると、枝から多数の材線虫が泳ぎ出てきますので、顕微鏡(60-100倍)で観察してもらいました。

これまで太宰府天満宮にある巨木クスノキ16号木が枯死したことを契機に、道真公の1100年大祭の記念事業として国指定、県指定のクスノキ達の樹勢衰退原因の解明調査と養生工事を行ってきました。瀕死の状態であった11号とよぶ衰弱木も、現在では見事な葉を広げて元気です。境内の他のクスノキ達も春には新緑を展開し、盛夏を迎えて神社を荘厳しています。このクスノキ養生工事の実態を解説しました。

自然林復元工法による試験地調査

大分県の森林環境税を頂き、海岸林の自然林を復元するために植栽試験地を設定して、3年目を迎えます。植栽して2年半が過ぎた2009年12月初めに、西日本短期大学緑地環境学科の金澤先生と私(矢幡)、さらに4名の学生さんが参加して、広葉樹の成長量調査を行いました。この試験地は3種類から成り立ち、そのうち、第3試験地は、5種類の広葉樹を植えました。芽苗と一般のポット苗との成長比較試験です。芽苗とは、ポット苗(苗丈50-70cm)と比べて、苗丈が10~20cmと小さいけれど、3年目を前にして、すでにポット苗を追い抜く勢いです。写真で比較してください。このような成長差が現れる理由は、次のことが考えられます。ポット苗の場合、根がポットの中で、ぐるぐる巻きになる(ルーピングといいます)ために、根が無駄に余分な成長をして、地中へ根を拡がるのが遅れます。一方で、苗は小さくても、根がまばらな芽苗のほうが、生存が厳しい環境条件(土壌が少ない法面や、砂地など)では、プランティングショック(移植や植え付けのストレス)が小さく、おかげで2-3年後には成長が良くなるといえます。試験結果からこのことが明確に証明されました。

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