卒業生が樹木医に合格しました

卒業生の福井寿さん(H20年度卒)が、今年度の樹木医合格の報告に、西短ヘ訪ねてきてくれました。

「樹木医」は、いわゆる“樹木のお医者さん”として、身近な樹木の診断や治療をしたり、地域の大切な巨木や古木を守ったり、また樹木の大切さや保護の知識などを広く伝える役目をもった専門家です。(財)日本緑化センターによる研修者選抜試験を受け、資格審査の合格者のみが「樹木医」と名乗ることができます。

合格率は約20%と難易度の高い資格にもかかわらず、なんと一発合格!すごいですね!

福井さんは社会人入学で、それまでは植物や造園とは全く関わりの無いお仕事をしていたそうです。西短に来たことで、樹木医になるぞ、という思いに弾みをつけたとのこと。在学生にも激励の言葉をくれました。

樹木医になるには、樹木の診断、治療等に関する業務経験が7年以上がまず受験資格として必要になりますが、緑地環境学科では、指定の科目を履修すれば「樹木医補」の認定が受けられるため、1年以上の業務経験で受験資格が与えられます。福井さんも、西短でこの「樹木医補」の資格認定を受け、業務経験年数を短縮して受験し、見事に合格されました。

在学生のみなさんも、難しい資格ではありますが、ぜひ先輩にならって目指してほしいと思います。

福井さん、合格おめでとうございます。「樹木医」としてのさらなるご活躍をお祈りいたします!

6月12日見学会(1年生):太宰府天満宮のクスノキ編

6月12日(土)に1年生の皆で「東洋陶磁美術館」「太宰府天満宮のクスノキ」「光明禅寺」の見学会に行ってきました。
午後からは太宰府天満宮へ。土曜日ということもあって、観光客らしい人たちであふれていました。

まずはお参りをします。
 

その後はいよいよ、クスノキの樹勢回復・養生工事についてです。
実際に工事の指導をされた矢幡教授と、施工をされた別府梢風園の小才専務(本学科8期卒業生)に、調査・治療の対象となったクスノキを前にお話をしていただきました。

太宰府天満宮には樹齢1000年を超えるクスノキがあり、2本が国の天然記念物、49本が福岡県天然記念物に指定され、保護されています。
今ではこんもりとした緑に包まれるクスノキですが、そのような巨木のクスノキも約20年前には衰退が進み、枯れはじめるものもありました。

 
当初は様々な対応をしてみたものの、なかなか回復が困難だったそうです。
そこで、衰退の原因を解明するため、特にクスノキが植わっている地面=土壌について、詳しく調査がされました。

 
 
すると、どうやら根が傷んでいること、根にあまり良くない環境になっていることがわかってきました…

 
 
 
巨木のクスノキはその歴史や大きさもあって、慎重かつ大胆な調査および樹勢回復工事が行われたこと、
ここまで回復するとは想像以上だったこと、など、貴重なお話を伺うことができました。


 
 
クスノキが、これからもさらに長くここにあるように、守っていくのは私たちの役目ですね。
雨が心配でしたが、最後まで降ることもなく、気持ちのよい緑の中での見学会となりました。

海の中道海浜公園内 松の植樹体験記

~白砂青松を夢見て~

 こんにちは。3月初旬、はかた夢松原の会主催の下、一般の方々と一緒に、国営公園海の中道海浜公園内で行われた、クロマツ苗の植樹に参加してきました。わたしたち学生9名は矢幡先生のご指導の下、従来防風林に使用されるポット苗ではなく、芽苗(植えた当初はポット苗より小さい苗)が数年後ポット苗を追い越すほど成長することを明らかにするための試験地作りを行いました。

植樹もはじめてですが、研究の試験地作りも初めて。1年後または数年後、今日植えた苗が強くたくましく成長することを祈って(内心「潮風やポット苗に負けるなよ~」と語りかけながら)植えました。

詳しくは↓

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自然林復元工法による試験地調査

大分県の森林環境税を頂き、海岸林の自然林を復元するために植栽試験地を設定して、3年目を迎えます。植栽して2年半が過ぎた2009年12月初めに、西日本短期大学緑地環境学科の金澤先生と私(矢幡)、さらに4名の学生さんが参加して、広葉樹の成長量調査を行いました。この試験地は3種類から成り立ち、そのうち、第3試験地は、5種類の広葉樹を植えました。芽苗と一般のポット苗との成長比較試験です。芽苗とは、ポット苗(苗丈50-70cm)と比べて、苗丈が10~20cmと小さいけれど、3年目を前にして、すでにポット苗を追い抜く勢いです。写真で比較してください。このような成長差が現れる理由は、次のことが考えられます。ポット苗の場合、根がポットの中で、ぐるぐる巻きになる(ルーピングといいます)ために、根が無駄に余分な成長をして、地中へ根を拡がるのが遅れます。一方で、苗は小さくても、根がまばらな芽苗のほうが、生存が厳しい環境条件(土壌が少ない法面や、砂地など)では、プランティングショック(移植や植え付けのストレス)が小さく、おかげで2-3年後には成長が良くなるといえます。試験結果からこのことが明確に証明されました。

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