今日は、保育学科の授業の一場面をご紹介したいと思います。
「保育の心理学Ⅱ」の授業では、
子どもの心に気づき、寄り添うためにも、
「観察力」をテーマの一つとして取り組んできました。
そこで、「観察力」を鍛えるために取り入れたワークが、
「物的痕跡探し」です。
短大の周りにある「痕跡」を見つけ、
そこで人がどのような行動をしていたのか、
何が行われていたのかを推測してみようというワークです。
例えばこの写真をご覧ください。
これは短大の入口の一部ですが、
よく見ると、学生たちが通った「痕跡」が見えてきませんか。
学生たちもいろいろな痕跡を探してきてくれました。
外付けの階段の手すりですが、登るときにみんな、
この削れた箇所を握っているのかもしれません。
机の番号札がとれてしまった跡が、
うっすらと見えていますね。
食堂のテーブルに、プリンなどを食べるときに使う
スプーンだけ残されています。
プリンはどうやって食べたのでしょうか。
使い込まれたものには、たくさんの痕跡が残っています。
使った人の思いも刻みこまれている気がします。
何の跡でしょうか。
学生たちはこのように推理したようです。
ちょっと意識して観察してみるだけで、
普段の環境からも「ん?」と思えるものがたくさん発見されました。
こうやって少しずつ「観察力」を鍛えていくことで、
保育の現場でも子どものちょっとした心の変化にも
敏感になれるのではないかと期待しています。